あなぶきアリーナ香川
今年春に誕生したばかりのあなぶきアリーナ香川こと香川県立アリーナに行ってきました。
RC造一部S造、B1、2F、延2万9,794m²。工期は約2年半。「船の体育館」(旧県立体育館)の閉館に伴い、代替新体育館として計画されました。
設計:SANAA(サナア:妹島和世氏(せじまかずよ)と西沢立衛氏(にしざわりゅうえ)による建築家ユニット)
施工:大林組、合田工務店、菅組
中四国で最大級となる規模で、最大1万人を収容できるメインアリーナとサブアリーナ・武道施設を備え、会場を使い分けることで、イベント、コンサート、ショー、会議など様々なシーンで利用できる施設になっています。一般的に大空間を持つ建造物は立体トラス構造で空間を支えますが、今回は高さを抑えるために「単層ラチスシェル構造(単層の三角形パターンの鉄骨部材を球面状に配列した構造)」を採用しているそうです。
デザインは、瀬戸内海や讃岐平野の山々の風景との連続性を感じさせるゆるやかな曲線。周辺の景観に配慮して高さを抑えており、瀬戸内海の風景にマッチしています。また、屋根は耐候性に優れたステンレスシートをシーム溶接でつなぎ、球面形状になっており、立面上で溶接ラインを垂直に見せているこだわり。しかし、実際は直線ではなく弧を描く必要があるので、ステンレスシート約650枚を一枚ずつ現場成型で加工したそうです。
また、全景を撮影できるスポットを探して、シンボルタワー29階展望スペースは方向が合わず、8階屋上広場からは二重手摺などがありうまく撮れませんでした。おそらく8階にセルカ棒を持っていけばキレイに撮影できるのではないかと思います。
これから香川の顔として、長く親しまれていくであろう建築物の誕生のタイミングに立ち会えたことを嬉しく思います。設計課ck